養育費は子供が成人するまで支払いが続きます。
子供が小さいうちに離婚をすると10年以上の支払い期間になることも珍しいことではありません。
5年、10年という期間は、離婚した元夫婦が新しいパートナーを見つけて、
それぞれ再婚するという可能性も十分にあり得ることです。
では、元妻・元夫が再婚した場合、離婚する時に決めた養育費を増額したり減額したりすることはできるのか考えてみましょう。
もくじ
1:元夫が再婚した場合
元夫が再婚しても、元妻は元夫の子供に対する養育費をもらうことができます。
しかし、元夫が再婚し、再婚相手との間に子供が生まれたり、再婚相手の子供を養子縁組した場合は、
元夫が扶養義務を負う子供が増えるため、元妻がもらっている養育費は減額される可能性があります。
2:元夫から養育費を減額されたら生活できない
シングルマザーの生活はとても大変です。
毎月の養育費でも十分ではなく、生活に苦労をしている方も多くいらっしゃいます。
まずは、元夫に生活が大変な事を話して、減額しないでほしいとお願いしても良いと思います。
しかしながら、元夫にも扶養するべき子供が増えた現実がある以上、ある程度の減額はやむを得ないところもあるでしょう。
養育費減額の調停をして、その時のお互いの状況を確認し、適切な養育費を算定してもらうのも一つの方法でしょう。
3:元妻が再婚した場合
元妻が再婚して、子供と再婚相手が養子縁組した場合、再婚相手が子供の第一次的な扶養義務者となります。
しかし、
「元夫は全く養育費を支払わなくても良いのか?」
というとそうではなく、養子縁組した再婚相手に十分な収入がない場合等は元夫が養育費を支払い続ける必要があります。
再婚相手に十分な収入がある場合は、元夫は養育費を減額または支払いをしなくてもよいということになることもあるでしょう。
※参考 養子縁組について知ろう(法務省)
4:元妻が再婚相手と子供を養子縁組していない、内縁関係のまま入籍しない
元妻が再婚したのに、子供は再婚相手と養子縁組をしていない場合は、
再婚相手に子供の扶養義務はありませんので、元夫が養育費を支払い続けることになります。
また、養育費を貰い続けようと、同居し内縁関係のままで入籍をしないという事もあるでしょう。
しかし、一つ屋根の下で再婚相手や同居人とお財布を一緒にして生計をひとつにして生活をしているのであれば、
元夫の養育費が減額される要素となる場合もあります。
5:元妻が再婚したらすぐに養育費の支払いをやめてもいいの!?
「元妻から再婚の連絡があった場合、養育費をどうするか?」
の話になるでしょう。
元妻がもう養育費は必要ないと言えば問題ありませんが、養育費は貰い続けると言った場合はすぐに養育費の支払いをやめることはせず、
弁護士に相談したり、養育費減額の調停を申し立てたりすることを検討しましょう。
6:再婚した事を秘密にしておいても良いの?
離婚した際に公正証書や離婚協議書を作成している場合は書面の内容を確認しましょう。
大抵の書面には、養育費の支払い中にお互いが再婚したり連絡先が変更になった場合は相手方に連絡するような項目が入っています。
離婚時に再婚したら連絡をするよう約束をしている場合は、約束どおり連絡をするようにしましょう。
相手方から養育費減額・増額の調停を申し立てられた場合は、
調停で決定した金額を申し立て時に遡って返金しなければならない場合もありますので、注意する必要があります。
7:再婚した元妻が離婚して養育費を請求してきた
「元妻が再婚して養育費の支払いがなくなったが、離婚したので養育費をお願いします」
と連絡がきたという方も少なくありません。
この場合は再婚相手と子供が離縁していれば、
元夫が再度、子供の第一次的な扶養義務者となりますので、養育費の支払い義務が生じます。
8:元妻の心構え
元夫が再婚して再婚相手との間に子供が生まれたり、
シングルマザーと再婚して相手の子供と養子縁組することは珍しいことではありません。
養育費ありきの生活では、養育費が減額になった途端に生活が苦しくなるということも考えられます。
元夫からの養育費はなるべく貯金をするつもりで、毎月の生活費は自分の給与で賄えるように心がけることが大切です。
9:子供との面会交流が大切
子供との面会交流が定期的にある場合は、元夫も子供のために養育費を払い続けようという気持ちも強くなるでしょう。
また、子供を介してお互いの生活の状況もわかりますのでお互いに相手の状況を考慮する気持ちもでてくることもあるでしょう。
しかし、子供と面会交流を全くしていない、お互いに全く連絡もしていない状況では、
「相手がどんな生活をしているかなんて関係ない」
という気持ちになり、お互いに権利ばかりを主張し、まともな話し合いもできないという事も珍しくありません。
養育費は子供のためのお金であることを忘れないためにも、可能な限り面会交流は続けることが望ましいと思います。
※参考 親子交流(面会交流)(法務省)
離婚・夫婦問題でお悩みの方はお一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。