離婚をするときに子供の苗字はどうしたらいい?

離婚をする時に母親が子供を引き取った場合、子供のことを考えて苗字を結婚前の苗字に戻すかどうか悩む方も多いと思います。
特に子供が小学校、中学校、高校に通っている場合は、苗字が変わることでお友達との関係や周囲の反応が気になるところですね。
苗字を変えることは子供にとってどのような影響があるのでしょうか?この記事では離婚に伴う子供の苗字について解説をしていきます。

 もくじ

1:就学前であれば変更しても影響は少ない

子供が保育園や幼稚園に通っている就学前であれば、お友達とも下の名前で呼び合っている事も多いですし、苗字を自分で書くというシーンも少ないでしょう。
子供の中でも「離婚」ということがよくわかっていない状況もありますので、お友達に何かを聞かれたりすることも少ないとも言えます。
周囲のお友達も苗字が変わったことに気づくこともあまりありませんので、就学前のこの時期に苗字を変更するのがタイミングとしては良いかもしれませんね。
保育士さんと相談をして、苗字を変更してもあまり子供に影響がないように取り計らってもらうようにお願いをしてみても良いでしょう。

2:学校に通っているなら苗字を変える影響は大きい

子供が学校に通っている場合は苗字が変わるということは学校生活での名前が変わり子供に影響がかなりあるでしょう。
小学生以上になると、毎日の中で自分の名前を書くシーンはとてもたくさんありますし、記名しているものもたくさんあります。
名前を書いているものはすべて変更しなくてはなりませんし、中学校・高校では制服の名札やジャージにも苗字が印字されていますので、
在学中に苗字を変更するという事は学校生活において子供への影響が大きいと言える状況でしょう。
クラブ活動や習い事をしている場合はさらに影響が大きくなります。

3:学校でも「通称」の使用ができる場合もある

戸籍上の苗字を変えたとしても「通称」として卒業するまではそのままの苗字を学校で使うことができる場合もあります。
できれば中学入学、高校入学のタイミングで苗字を変更したいという場合には通称として、
今までの苗字を卒業まで学校で使用することができるのかについて担任の先生に相談をしてみると良いと思います。
通称の使用ができるのであれば、戸籍の苗字は変更しても学校生活に影響はありませんので子供にとっても負担が少なく済むでしょう。

4:子供の意思を大切にする

子供に苗字を変更することについて直接意見を聞いて、子供の意向に沿うようにするのが一番です。
離婚は夫婦の問題であるため、子供にとっては「好きで苗字を変更するわけじゃない」と思っている子供もいるでしょう。
前の苗字のままがいい。と思っている場合もありますので、子供としっかり話をして子供の希望を優先するように考えるのが良いでしょう。

5:離婚届を出すだけで子供の苗字は変わらない

離婚届を出すことで下記のような状況になります。

【婚姻中】   
 父:山田太郎
 母:山田花子
 子:山田慎太郎

【離婚後】
 父:山田太郎
 子:山田慎太郎
 母:鈴木花子

上記のように離婚届を提出しただけでは、父・母・子の3人の戸籍から母だけが抜けて一人の戸籍が作成されます。
子供の親権者が母親だとしても、離婚届を出しただけでは子供の戸籍は父親の戸籍に入ったままとなるのです。

6:子の氏の変更許可の申し立てをする

上記のように、母親が山田から旧姓の鈴木に戻り、子供の苗字も鈴木に変更するには家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申し立て」をする必要があります。
申し立てが認められた後に、その書類をもって市区町村役場で母親の戸籍に子供を入籍させる届出をすることで、ようやく母親の戸籍に子供が入ることができるのです。
この「子の氏の変更許可の申し立て」は苗字を変更しない場合でも母親の戸籍に子供を入籍させる際には必要な申し立てですので注意が必要です。

7:苗字を変更しないなら父親の戸籍に入っていても問題はない

離婚後も苗字を変更せずに、婚姻中の苗字をそのまま使うのであれば、子供は父親の戸籍に入ったままにしている方もいらっしゃいます。
父親と母親どちらの戸籍に子供が入っているかということと親権は全く別の話です。
また、戸籍をどこかに提出する機会はあまりありませんので父親の戸籍に子供が入っているからといって何か特別困ることがあるというわけでもありません。
子供が父親の戸籍に入っているメリットとしては、子供の戸籍を確認することで父親が再婚したかどうかがわかるということがあります。
逆に、再婚をする父親から「子供の戸籍をうつしてほしい」と言われることもあるかもしれません。
父親の戸籍に子供が入っているままで再婚しても問題はないのですが、父親の再婚相手が嫌がり、子供の戸籍を母親に移動してほしいと思うことが多いでしょう。

8:現代は離婚も珍しくない時代だけど

年間の離婚件数からみても、離婚は珍しいことではなくなりましたし、ひとり親家庭の子供も珍しいわけではありません。
小学校でも夏休みや冬休み明けにお友達の苗字が変わっていたということも珍しいことではないようです。
とはいえ、子供本人がどのように考えているのかはわかりませんから、子供の意思を確認をしてから手続きをすすめましょう。
子供の中には親の離婚や苗字が変わることを恥ずかしいと感じている子供もいるかもしれません。
子供の気持ちは親だからといって予想や推測はせず、きちんと本人の口からどう思っているのかを聞いて希望に沿うようにすることが子と親の信頼関係に繋がると思います。

 

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