離婚の話し合いをしている時に、離婚協議書や離婚公正証書を作成したほうがいいのか?と考える方もいると思います。
そうこう考えているうちに相手方があなたに同意なく専門家に依頼をして離婚協議書を作成して渡された!という事もあるでしょう。
しかし、離婚協議書は専門用語が多く内容を読み込むのにも一苦労ですし、このままサインをして良いものなのか!?と迷うことでしょう。
この記事では相手方が離婚協議書を作ってきた時にどのように対処したらよいのかを解説していきます。

 もくじ

1:誰が作った協議書なのか確認する

離婚協議書はインターネットを探せばテンプレートもたくさんありますので自分で作成することも可能です。
相手方が離婚協議書を持ってきた時にまずは「誰が作成したのか?」を確認しましょう。
相手方が一人で作成した文章の場合は抜け漏れや文章が正しくない場合もありますので注意が必要です。
相手方が一人で作成した離婚協議書であれば修正の必要がある可能性が高い文章ですので、その場でサインをせずに専門家に相談することをおすすめいたします。

2:専門家に依頼した離婚協議書の場合

行政書士などの専門家に依頼をして作成した離婚協議書の場合は、文章がおかしかったりする可能性は低いです。
しかし、協議書の項目の抜け漏れという点では注意が必要です。
離婚協議書はどうしても作成を依頼した側に有利な文章になることが多いからです。
行政書士が〇〇の項目はなくても大丈夫ですか?と聞いても、依頼者が「必要ない」と言えばその項目は協議書の中には入りません。
つまり、あなたにとって大事な項目でも、相手方がさほど大事ではないと思っていた場合はその項目が協議書から抜けている可能性が考えられるからです。
専門家が作成した離婚協議書だから大丈夫と思わずに、自分の希望の項目がしっかりと入っているか、相手に有利な文章になっていないかのチェックはしたほうが良いでしょう。

3:すぐにサインをしてはいけない

相手方が離婚協議書を作成して持ってきたら、その場ですぐにサインをしてはいけません。
まずは文章をしっかり読み込み、内容を把握することが大切です。
具体的には下記の項目を確認しましょう。

・離婚条件に抜け漏れはありませんか?
・離婚協議書が相手方に有利な内容になっていませんか?
・あなたの希望した条件はすべて入っていますか?
・文章の解釈がおかしなところはありませんか?

上記を確認して、あなたにとって問題ないと納得できた協議書でしたらサインをしても良いと思いますが、
少しでも内容が理解できなかったり納得ができない項目があればサインはするべきではありません。
専門家に依頼をして作成をしてもらった協議書であれば、その専門家と直接連絡をとって離婚協議書を修正してもらう事も可能です。
離婚協議書は夫婦のどちらか一方が納得すれば良いものではなく、
夫婦お互いが全文しっかりと納得できるものになるまで作りこんで完成させるものだからです。

4:基本的に取り消し・変更はできない

離婚後にやっぱり忘れていた事を思い出したからといって、離婚協議書や離婚公正証書の内容は基本的に変更することはできません。
離婚協議書にサインをして、離婚届を提出したら離婚協議書に書いてある条件で離婚が成立したということになるのです。
それほど離婚協議書は重要な書面ですので安易にサインをするべきではありません。
相手方が持ってきた離婚協議書に少しでも不安があるなら、それをもって専門家に相談をすることをおすすめいたします。
また、養育費や婚姻費用、慰謝料などのお金に関する項目は一旦約束した後にやっぱり金額を変えてほしいと言っても変更はできません。
特に離婚公正証書を作成した場合は支払いができなくなると相手方が強制執行手続きに入る可能性もあります。

5:公証人は離婚条件にアドバイスはしてくれない

離婚公正証書を作成する時には公証役場に行って公証人が公正証書の文章を作成してくれますが、
公証人はあくまで二人の間で決まった離婚の条件を文章にしてくれるだけで離婚の条件についてアドバイスをしてくれるわけではありません。
例えば、相場よりも高い養育費や慰謝料の金額だからといって公正証書を作成する時に公証人が「相場よりも高いけれど大丈夫?」と教えてくれるわけではないということです。
離婚条件についてもあなたに不利な条件だからと言って、その事を公証人が「あなたの条件だいぶ不利だよ」と教えてくれるものでもありません。
離婚公正証書の内容は、作成した後で「相場を知らなかったから」と言って変更できるものではありませんし、
一度作成してしまった以上はやっぱり間違ったということは通用しないのです。

6:書面は作成した側に有利になる事が多い

当事務所にも相手方が持ってきた離婚協議書を確認してほしいというご相談がありますが、
内容を確認するとやはり作成された方に有利な書面になっている印象があります。
また、この文章だと〇〇したときに××することになりますが、この条件で大丈夫ですか?とお伺いすると「そんな事は約束していない」と仰られる方もいます。
離婚協議書の文章は専門用語が多く難しい単語が使われていますので、内容をしっかり把握することが難しい場合もあります。
この項目はこういう意味だから。と相手方の簡単な説明を鵜呑みにしてサインをしたら全然違う意味だったという事も無いとは言えません。
自分でしっかりと全文の内容を把握することと、わからない項目は理解できるまで調べることが大切です。

 

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