離婚時の財産分与とその方法

離婚を考えた時に気になるのが財産分与ですね。
持家や預貯金の分配は離婚後の生活を支える上で大切です。
財産分与の話し合いになったときに揉めないように、まずは財産分与の基本をしっかりと理解したうえで、
あなたにとって譲れない財産の順序を決めておくことでスムーズな話し合いができます。
それでは順番に確認していきましょう。

 もくじ

1:財産分与の割合

財産分与は2分の1ルール

財産をどのように分けるのか?気になるのは分与の割合、つまり自分の取り分がどのようになるのか心配ですね。
専業主婦の方は分ける財産はご主人が稼いだ給料から購入したり貯めたりしたお金なのでどのくらい貰えるのかは気になるところです。
財産分与の割合は専業主婦・共働き関係なく一般的には夫も妻も2分の1というのが基本の考え方です。
家庭裁判所ではこの「2分の1ルール」が定着しているようです。

なぜ専業主婦でも2分の1なのか

かつては専業主婦の財産分与を2分の1以下としていたようですが、
現在では夫が外で仕事をして稼いでこれるのは家で妻が家事や育児を担っているから。という考え方になりました。
妻が家で食事を作っているから食費も節約できますし、
家で子供の世話をしているから夫が残業したり休日出勤ができるということですね。
よって夫婦の財産は夫婦がお互いに努力をして二人で作った財産ということなのです。

2分の1ルールが適用されないのはどんな時?

2分の1ルールが適用されない場合は特殊な事情があるときです。
例えば夫が大会社の社長であったり大病院の院長であったりすると
夫の特殊な能力で稼いだ部分が資産形成に影響しているため2分の1ルールが適用されなかった判例もあります。
また、夫婦の一方がパチンコや競馬等のギャンブルにのめりこみ浪費癖があった場合も
2分の1ルールが適用されなかった判例もあります。

2分の1ルールが納得できないときは

特殊な事情がない場合は2分の1ルールが適用されますが納得できない事もあるでしょう。
夫婦共働きなのに家事・育児はほとんどすべて妻が引き受けていたり、専業主婦の妻が全く家事や育児をしない場合等は納得がいかないですね。
そのような場合は自分の貢献度の方が明らかに高いという証拠を徹底的に集めて弁護士さんに相談をしましょう。
2分の1ルールは離婚調停や離婚裁判の基本となるものです。
それを覆すにはそれ相当の証拠が不可欠です。
証拠があってもすぐに覆るわけではありません。
証拠があってはじめて話し合いのスタートラインととらえておきましょう。

2:財産分与の対象となるもの・ならないもの

財産分与の対象となるもの

財産分与の対象となるもは夫婦の「共有財産」にあたるものです。

共有財産とは、婚姻期間中に夫婦で協力して築きあげた財産です。
財産の名義が夫や妻どちらかのみにあるものでも共有財産です。 
例えば、夫単独名義の持家や夫名義の預貯金でも、婚姻期間中に夫婦で築いた財産であれば共有財産になります。
では共有財産の代表的なものを確認していきましょう。

現金・預貯金

現金・預貯金はへそくりでも婚姻期間中に貯めたものは共有財産になります。
夫婦共働きで自分のお給料から少しずつ貯金をしてきた場合でも夫婦の共有財産です。
共有財産にならないものは結婚する前からもっていた現金や貯金、相続で得た現金や貯金です。

各種保険

貯蓄型の保険や学資保険は解約するとお金が戻ってきますので財産分与の対象となります。
離婚後も保険契約を続けたいと考える方が多いですが、夫婦の共有財産は解約して一度清算することをおすすめします。
どうしても契約を続けたい場合は保険の担当者さんと相談し名義変更や他の保険に変更する等のアドバイスを受けてみましょう。

土地・建物等の不動産

婚姻中に購入した持家はもちろん共有財産です。
離婚する際はまず不動産屋さんに査定をお願いして売却した場合に売却益がでるのかどうか確認をしましょう。
売却益がでるのであれば売却して清算することをおすすめします。
オーバーローンになる場合は売ることが難しいので夫か妻どちらかが住むことになりますが、トラブル防止のため、不動産・ローンの名義人が住むことをおすすめします。
夫名義の不動産に妻と子供が住む場合はまずお金を借りている銀行にローンと登記名義を妻に変更することが可能かどうか確認をしましょう。

住宅ローンの残っている土地・建物についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

高価な美術品・骨董品・貴金属

これらも婚姻中に購入したものは共有財産です。
離婚時には売却して現金を財産分与とするか現物を同等価値になるように半分に分けると良いでしょう。

家財道具・電化製品

離婚するということは別々に暮らすということなので家財道具や電化製品が必要です。
お気に入りの家具家電や使用頻度が高かったものをうまく分配すると良いでしょう。
どちらか一方がすべてをもらう場合は引っ越し費用を相手方に支払って調整するのも一つの方法ですね。

退職金

夫が退職金の分与に任意で応じれば良いですが、応じなかった場合は複雑になります。
あと数年で退職という場合は退職金の金額もある程度予想できますが、退職まで数年かかる場合は退職金の計算が困難になるからです。
どうしても退職金を分与してほしい場合で夫が拒否している場合は弁護士さんに相談することをおすすめします。

自動車

ローンが残っていない自動車は所有する方に名義変更をしましょう。
厳密に言えば離婚時の車を査定してもらって車をもらわない方は車の価値の分、別のものや現金を分与するということになりますが、
車は購入した瞬間から価値が下がり続けるものですので期待したほどの価値にはならない事もあります。
ローンが残っている場合はローンの名義人が所有することをおすすめします。
夫がローン名義人で離婚後妻が車を所有する場合はカーディーラーさんに名義変更の相談をしてみましょう。

財産分与の対象とならないもの

財産分与の対象とならないのは夫婦どちらか一方の「特有財産」にあたるものです。

特有財産には2種類あり「婚姻前から片方が有していた財産」と「婚姻中であっても夫婦の協力とは無関係に取得した財産」があります。
例えば婚姻中に夫が相続により取得した財産は妻の協力があったから相続できたものではなく、
夫が単独で相続した財産ということになり夫の特有財産となります。

マイナスの財産(ローンや借金)はどうなるの?

ローンや謝金がある場合、それが婚姻前のものであれば特有財産となります。
婚姻期間中のローンや借金は共有財産となるので、財産分与をする場合はまずプラスの財産(現金や預貯金)でマイナスの財産を清算し残った財産を2分の1で分配します。
キャッシュレス決済が普及してきた現代ではクレジットカードのキャッシングやリボ払い等の借金がある方もいます。
購入したものが日常生活に必要なものであれば共有の借金といえますが、
パチンコや競馬に使ったり生活レベルに不相当なブランド品を購入するためのローンは特有財産といえるでしょう。

住宅ローンや車のローンはどうなるの?

ローンが残っている住宅や車は、ローンの名義人と離婚後に所有する人が同じなら良いですがそうでなければ売却または名義変更をすることをおすすめします。
例えば不動産の名義もローンの名義も夫で、離婚後は夫が住み夫がローンを払うというパターンは良いですが、
そうでなければ売却または名義変更をまずは検討しましょう。

3:財産分与のやり方と方法

ここまでで財産分与の割合と財産分与になるもの・ならないものについて確認をしました。
実際の財産分与になるときれいに2分の1とはいかず住宅は夫、預貯金は妻というように二人で話し合って折り合いをつけることになります。
また、夫は住宅を売却したいが妻は子供と一緒に住み続けたいと意見が食い違うこともあるでしょう。
慰謝料の支払いがある場合は財産分与にも影響があります。
夫婦二人で話して決めた場合は離婚協議書や公正証書を作成して離婚後のトラブルを回避すると良いですね。
残念ながら話し合いがまとまらない場合は弁護士さんに相談したり調停を利用することも検討しましょう。

4:財産分与は離婚後でもできるのか?

財産分与の話し合いは意見が変わったりすることを防ぐため、
離婚届を提出する前にしたほうが良いですが事情によっては離婚届提出後に財産分与をすることもあるでしょう。
財産分与は離婚後2年以内と民法にありますので、離婚後はなるべく早く話し合いをしましょう。
離婚時に公正証書や協議書を作成した場合は清算条項といって
離婚後にお互いに一切の請求をしないという約束がありますので離婚後の請求はできなくなります。

 

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