養育費や慰謝料、財産分与など金銭の約束がある場合は離婚公正証書を作成したほうがよいでしょう。
公正証書はもよりの「公証役場」に夫婦二人で行って作成をしてもらいます。
公証役場の営業時間は平日の昼間ですので、仕事をしている方はお休みの調整が必要になります。
また、金銭的な取り決めは時間が経つと相手方が約束を覆してくる可能性がありますので、口頭で約束できたらすぐに公正証書の作成をしたいという方もいるでしょう。
では、実際に公証役場で離婚公正証書を作成するにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
すぐに公正証書を作成することは可能なのでしょうか?
この記事では、離婚公正証書を作成するまでの期間について詳しく解説していきます。
もくじ
1:作成の目安は2週間前後
離婚公正証書を公証役場で作成する場合の作成時間の目安は、おおよそ2週間前後で予定しておくとよいでしょう。
お盆やお正月、ゴールデンウィークなどの連休をはさむ場合はプラス1週間くらい余裕をもって予定をしましょう。
※コロナ禍では、公証役場の公証人も出勤日数が少なく制限されている場合もあり、公証役場によっては3~4週間くらい時間がかかる場合もありました。
公証役場は全国にありますが、地方の役場では公証人が1人で対応している小さな役場もあります。
公証人が1人の場合は原稿の作成に時間がかかることもあります。
都市部の公証役場は公証人が平均5~6人程度いますし、公証人ごとに事務員がついていることもありますので、早く予約がとれることもあります。
法務省のホームページに公証人の一覧が掲載されていますので、こちらから公証人の人数も確認しておくとよいでしょう。
2:原稿案があるかないかで作成時間が異なる
離婚公正証書を当事務所にご依頼いただいた場合は、予め当事務所で原稿案を作成し、お客様に原稿を確認していただいた後に公証役場の公証人と原稿の打ち合わせに入ります。
行政書士等の専門家が事前に原稿案を作成している場合は、公証人は原稿のチェックをしながら必要な箇所のみ修正するので時間はあまりかかりません。
しかし、専門家を頼らずにご自身で作成をする場合は、公正証書の原稿を最初から公証人が作成することになりますので原稿の作成までに時間がかかります。
ご相談の流れ
3:事前に公証役場へ電話で確認する
公証役場の予約状況はそれぞれの公証役場によって異なります。
ご自身で作成される場合は、事前に公証役場に電話をして、最短でいつごろ予約ができるのか確認をすると良いでしょう。
なるべく早く公正証書を作成したい場合は数か所に問合せをしてみて、予約が空いている公証役場を選んでも良いと思います。
行政書士等の専門家に依頼をすると、専門家がいつも利用しているもよりの公証役場での作成は通常よりも早く予約できる場合があります。
4:公正証書の前に離婚協議書を作成する
離婚公正証書を作成するには2週間程度の時間がかかります。
それまでに慰謝料の金額や養育費の金額を変更されないか不安な方は、先に離婚協議書を作成しておくとよいでしょう。
離婚協議書に、「この後公証役場で離婚公正証書を作成すること」も一緒に約束することもできます。
相手方がコロコロ意見を変えたり、慰謝料の金額が大きい場合は口で約束した日から時間が経過することで相手方が変更を要求してくる可能性がありますので、離婚公正証書を作成する前に離婚協議書を作ってお互いにサインをして証拠として残しておくと安心ですね。
5:必要書類を事前に準備しておく
公正証書作成に必要な書類を事前に準備しておくことで作成がスムーズにできます。
必要書類は公正証書の記載内容によって異なりますが、下記のようなものが離婚公正証書作成時に必要になることが多い書類です。
すぐに提出できるよう事前に準備をしておきましょう。
・養育費や慰謝料の振込先となる銀行の通帳 ・学資保険について取り決めをする場合は保険の証券番号 ・車を財産分与する場合は車検証 ・持家がある場合は登記簿謄本 ・戸籍謄本 ・夫婦二人の写真付身分証明書(写真付身分証明書を持っていない場合は印鑑登録証明書と実印) |
専門家に作成を依頼する際も、事前に上記の書類をご用意いただければ原稿案の作成がスムーズにできます。
上記の書類は財産分与の話し合いをする際にも必要になりますので、事前に用意しておくことをおすすめいたします。
6:内容が複雑になると作成に時間がかかる
公正証書に記載したい内容が複雑になるほど作成に時間がかかります。
お子さんがいる場合の面会交流の条件を細かく設定したり、養育費以外の特別な費用について支払いのルールを細かく決めたり、
財産分与の項目が多くある場合は作成に時間がかかる場合があります。
また、夫婦の間で公正証書の内容に修正したい箇所があると公証役場とのやりとりが発生する分、作成に時間がかかります。
細かな言い回しにこだわり、しっかり納得をした内容で作成をしたい場合は、その分時間に余裕をもって作成をしたほうが良いでしょう。
離婚・夫婦問題でお悩みの方はお一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。