母子家庭の生活保護で家や車は持てるのか?

夫との生活は我慢の限界。もう耐えられない。
そう思ってもお金がないから離婚はできないと離婚を諦めて毎日生活されている方も少なくありません。
離婚直後の生活をまず安定させるためにも生活保護の受給を検討している方もいるでしょう。
しかし、生活保護を受給するとなると持家や車などの資産を持ち続けることはできないのではないか?と考えて生活保護の受給を躊躇される方もいると思います。
子供がいる場合は住み慣れた家にそのまま住み続けて学校や保育園を変えたくないと考える方もいるでしょう。
この記事では母子家庭で生活保護を受給する際に持家や自家用車を持ち続けることはできないのか?について詳しく解説していきます。

 もくじ

1:基本的に資産は持つことができない

生活保護は最低限の生活を保障するものです。
したがって基本的に資産価値のあるものは持つことができません。
資産価値のあるものは売って現金化して生活費にしましょう。ということと、家や車は持っているだけで税金や維持費がかかるからという側面もあります。
他にも下記のようなものが資産となるでしょう

・持家
・自家用車
・株
・積立型の生命保険や学資保険
・個人年金
・高価な宝石やバック
・預貯金

2:持家はまず査定して価値を確認

婚姻中に夫婦で購入した家にそのまま住み続けたいと考える方もいるでしょう。
元夫から養育費をもらわないかわりに住宅ローンを支払ってもらう約束をする方もいますが、これはおすすめできません。
婚姻中に購入した家は離婚するのであればまずは売却を検討してください。
売却して残りの住宅ローンを完済できるのであれば売却することをおすすめいたします。
売却しようと思っても、残りの住宅ローンを完済できるかできないかは重要です。
そもそも売ってもローンを完済できないなら売ることは難しい状況になります。
売るか売らないか決めていない方もまずは不動産屋さんに相談して住宅の査定をしてもらい現在の価値を確認しましょう。
売るつもりは無かったけれど査定をしてもらったら思っていた以上に高く売れることがわかって売ることにしたという方もいます。
生活保護を受給する場合、価値のある持家は売却するように言われることもあります。
地域によっても異なりますが売却して2000万円~3000万円以上の価値があるなら売却するようにいわれることも十分にあるでしょう。
売却することで住宅ローンを完済できてさらに売却益がでるようなら離婚の財産分与で2分の1ずつ分与しても当面の生活費や引っ越し代に充てることもできます。

3:元夫に住宅ローンを払ってもらうのはリスクが大きい

養育費をもらわないかわりに住宅ローンを元夫に払ってもらうことはおすすめできません。
なぜなら、元夫がいつまで住宅ローンを払い続けてくれるのかわからないからです。
離婚した直後は良いかもしれませんが、何十年も残っている住宅ローンをそこに住んでもいない元夫が払い続けてくれるという保証はどこにもありませんし、
住んでいない家のローンは払う側にとっては金銭的にも心理的にも負担が大きなものです。
また、元夫が再婚したり失職したり病気で働くことが困難になったりして住宅ローンを支払うことができなくなる可能性はたくさんあります。
住んでいるあなたが元夫が住宅ローンを払っていないことを知るのは、何か月も滞納していて残りの住宅ローンを一括で払わなければならくなった時かもしれません。
そうなると住んでいる家を出て行かなくてはならない状況にもなりかねません。
このように「払ってくれるから」といっても、10年先まで支払いが続く保証はありませんし、
住んでいる間ずっと「今月もきちんと住宅ローンを払ってくれているのだろうか?」という不安がつきまといますし、
元夫と離婚した後にもつながりを持っていることは心的な負担がかかります。

4:ローンがない家なら生活保護を受けられる可能性がある

住宅ローンが残っている持家を持っている状況では基本的に生活保護は受けられない可能性があるでしょう。
住宅ローンを既に完済しており、売却しても高値で売れない家であればそのまま持家にすんで生活保護を受けられる可能性があります。
地域によっては家の広さによっては売却をするようにいわれることもあるようです。

5:自家用車も基本的に持つことはできない

自家用車は所持しているだけで駐車場代や税金、メンテナンス代、車検代、ガソリン代と、とにかくお金がかかります。
電車やバス等の交通網が発達している都市部であれば車は所持する必要がないと判断されることが多いでしょう。
1時間に1本程度のバスしかなく、生活をするためには自家用車が必要不可欠な場所であれば生活をするのに最低限必要なものとして自家用車が認められる場合もあります。
また、車を仕事で使っているような場合は体が不自由なため日々の生活に車が必要な方も認められる場合があります。

6:まずは役所に相談してみる

ここまでで持家や自家用車については基本的に所持することが難しいことを解説してきました。
しかし実際に生活保護を申請する地域や担当者の方にあなたの現状を説明することで持家や自家用車を持ちながら生活保護が受けられる場合もあります。
生活保護は審査があり個別に対応するものですのでまずは相談をしてみるところから始めましょう。
札幌市の場合は各区役所の保護課に相談します。
札幌市のホームページからもご確認ください。

 

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